タイトル | ミシマの警告 保守を偽装するB層の害毒 |
著者 | 適菜収 |
出版社 | 講談社+α新書 |
読了日 | 2016年2月25日 |
日本をダメにしたのはB層である。この本で,B層とは「マスコミ報道に流されやすい「比較的」IQの低い人たち」と定義されている。この定義は,小泉元首相が郵政選挙を行ったときに,広告代理店から提示された選挙対策資料にあった表現だそうだ。
日本人をA層〜D層にデカルト座標で4分割して,その中のB層をターゲットにすることで,選挙に勝つことができると広告代理店は言っていたのである。バカ(Baka)だからB層?というわけでもなさそう。でも,それを意図して命名していそう。そして実際に,郵政選挙では,マスコミをうまく利用したワンフレーズ作戦で,自民党が圧勝した。その後,民主党への政権交代も,自民党への政権より戻しも,B層の動向が選挙結果を左右している。
そう考えると,日本の政治を動かしているのはB層になってしまう。
日本の将来を考えて,投票行動を起こそうとしても,そのときの感覚に流されて投票する層が多いと,少数派の意見は採用されない。特に,小選挙区制担ってしまってからは,少数派の意見は国政に届かなくなってしまったと言って良い。
著者は,何冊かB層に関する本を出している。今までは,このままだと日本がダメになってしまうという警告だったが,この本では,もはや手遅れなのではないかという論調になってしまっている。
この本はB層を批判している。でも,なんとなくB層に向けて書かれた本のような気もする。