例えば,こんな感じの掛け算は,暗算で答えを出すことができます。
16×14=224
38×32=1216
73×77=5621
10の位が同じで,1の位の和が10になる数の掛け算は,次の「アルゴリズム」で求めることができます。
(1) 片方の10の位+1×もう片方の10の位の結果を書く。
(2) その右に,1の位どうしを掛けた結果を書く。
上の,38×32の例で考えると,こうなります。
(1) 4×3=12なので,12を書く。
(2) 8×2=16なので,16を12の右に書く。
すると1216で答えになります。
これを子供(小学生)から聞いたときは,「おぉー!すげー!!」と感心してしまいました。
そうなると,理由が知りたくなるものです。
中学生になると,一般式にして公式を見つけることができます。
掛け算の展開式ですね。
(a+b)(a+(10-b)) = (a*a)+10a-ab+ab+10b-(b*b)
= a(10+a)+b(10-b)
ここに38×32の例でいうと,a=30, b=8を代入してみます。
30*(10+30)+8*(10-8) = 30*40 + 8*2
= 1200 + 16
= 1216
よって,上のアルゴリズムは正しいことが分かります。
で,小学生の子供に,これをどうやって説明するかを考えてしまいました。
私は,掛け算のひっ算を分解して説明してみました。
変則的なひっ算ですが,各計算を順番に並べています。
ここで2列目の6と3列目の24を足すと30になります。これは,必ず10の位(この例では3)×10になります。
なぜなら,ここの計算は10の位に1の位をそれぞれ掛けている計算だからです。
例でいうと,3×2+3×8なので3×10となるのです。
よって,このパターンの計算だと,必ず10の位の数だけ繰り上がることになります。
だから上の法則?は,正しいんだよ!と子供に説明しました。
納得したと言っていましたが,どこまで腹落ちしたかは謎です。
面白い算数の問題に,パパの方が夢中になってしまった一幕でした。