タイトル | 人工知能と経済の未来 |
著者 | 井上智洋 |
出版社 | 文春新書 |
読了日 | 2016年8月25日 |
今流行りのAIが人間の労働に及ぼす影響を経済学者の視点で書いている。著者は大学院時代に情報処理系の学部で人工知能を勉強した経験もあるため,技術的な視点も交えてわかりやすく書いている。
以前,このブログでも紹介した,「シンギュラリティは近い」や「人工知能は人間を超えるか」,「機械との競争」の内容を紹介しながら,AIが発達してくると,人間の労働を代替するケースが増えてくるので,どうしても失業者が出てくるだろうとしている。
技術者が議論する時は,夢のような未来を描くことが多いが,経済学者としては,失業者が増えることはよくないこととして,それの解決策を提示している。
それがベーシックインカムである。ベーシックインカムは数年前から紹介する人が増えてきていて,私も良い社会保障のあり方だと思っていた。AIの進展との結びつきでベーシックインカムとの相性の良さを紹介していて,納得した。
将来のことはわからないけれども,AIに希望を託せば託すほど,自分たちの仕事は減っていくのだということは間違いなさそうだなぁ。